病気とストレスの密接な関係
病気とストレスの関係性について考えるとき、身体と心のつながりが非常に深いことを改めて認識します。過敏性腸症候群とは、腹痛や腹部の不快感、便通異常などの症状が出る病気です。日本国内の多くの人が抱える病気であり、生活の質を大きく下げる原因となっています。過敏性腸症候群がほかの病気と異なっているのが、腸に炎症や腫瘍が見られない点。腸の動きに障害が起きている状態を指し、これにはストレスが大きく影響していると考えられています。
心配事やプレッシャー、強い緊張感などがストレスとなり、それが直接腸に作用してしまうのです。特に過敏性腸症候群の人は、ストレスを感じやすく、またその影響を受けやすい体質を持っているといわれています。また、ストレスが続くと腸内環境が悪化しやすくなり、これがさらに過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまう可能性があります。とはいえ、人として生きていれば何らかのストレスと遭遇します。ストレスを感じる度に腹痛や便の問題に直面する事態は、なるべく回避したいものです。
では、このストレスと過敏性腸症候群の悪循環から抜け出すにはどうすれば良いのでしょうか。大事なのは、ストレス源を特定し、可能な限りそのストレスを減らす努力をすることです。そして、ストレスに対する自分の反応をコントロールするための方法、具体的にはリラクゼーションや適切な運動、趣味への没頭などを見つけることが大切です。
最後に、一人で悩まずに専門的な医師のアドバイスを求めることも、症状改善の近道になります。過敏性腸症候群は心身の密接な関係性の中で発生する病気です。客観的な目で判断し、診てもらうことが、適切な対処方法を見つけるうえで欠かせません。